平成28年新年の挨拶

 日頃は一方ならぬご厚情を賜り、心より厚くお礼申し上げます。

 2016年が明けました。皆さまはいかがなる一年を目指すのでしょうか。
私事とはなりますが,昨年は大学院にて修士(経営学)の学位を取得し,現在は博士号の取得に向けてコツコツと研究にいそしんでおります。実際に経験してみると,仕事の合間を縫って博士の研究論文を仕上げるというのは,並大抵なことではないことを今更ながら実感しております。本年50歳を迎える私自身には,若い時のような体力,瞬発力,集中力,記憶力を求めることはできず,何事に対しても「徹夜してでも頑張るぞ!」などと突き進むことはほぼ不可能なこととなってまいりました。そのかわり,若い時には持ち合わせていなかった「力」も少しずつ獲得していることもまた実感できております。

 まずは継続力です。瞬発力に頼ることのできない今,コツコツと継続して行うことの重要性を感じておりますし,それができるようになってまいりました。これは,私にとって若い時には必要だったにもかかわらず獲得することができなかった能力です。次には泰然自若な心です。細かいことにくよくよせず,焦らず,落ち着いて事を進めること,これも若い時にはできなかったことです。今この瞬間の感情にほんろうされずに,物事に大局観を持って臨むことができるようになったということでしょうか。
 このような自分自身の持ちうる「力」を把握し,その「力」を存分に発揮して私自身の2016年を幸せ一杯に過ごしたいと願っております。

 経営戦略論には,バーニー(Jay Barney)氏が中心となって提唱する理論にRBV(リソース・ベースド・ビュー:資源ベース論)という考え方があります。企業が持ち合わせているその企業独特の内部の「資源」を,持続的な競争優位を獲得するためにいかにして利用するのかという理論です。

 私は,このRBVの考え方は,企業戦略だけではなく個人の人生にも応用することが可能な理論だと確信しております。特に中年以降は個人それぞれが生きてきた「人生の軌跡」の中で「培った能力(capability)は何か」を自分自身で把握し,その能力を存分に発揮できるフィールドを獲得できると,おのずと幸せを掴めるのではないでしょうか。

 一方,まだまだこれからという若い世代は,中年以降になって存分に発揮できる能力を獲得するために,日々仲間と切磋琢磨しながら過ごすことが大切となってくるでしょう。コミュニケーションをIT機器に依存することなく,「いいね」ボタンを押された数で浮足立つことなく,努力を共に経験し切磋琢磨できる仲間を作ってほしいものです。

 本年の皆さまの益々のご発展を祈念申し上げます。
 また,本年も引き続き弊社へのご指導とご鞭撻のほどをどうぞよろしくお願い申し上げます。

G&Bヒューマンキャピタル
代表 門田良明