平成27年新年のご挨拶


年初にあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。
日頃は一方ならぬご厚情を賜り、心より厚くお礼申し上げます。
 
 昨年,17歳の少女マララ・ユサフザイさんがノーベル平和賞を受賞しましたが,それ以前,彼女が17歳の誕生日に国連で行った演説の一節は私自身の脳の奥にしっかりと刻み込まれていました。

 “One child, one teacher, one book, and one pen can change the world.”
(一人の子ども,一人の先生,一冊の本,そして一本のペンが世界を変えるのです。)

 この言葉の裏には「武器,戦争では世界に平和をもたらすことができない,世界に平和をもたらすのは教育である」というメッセージを含んでおります。

 これは,世界という大局的な見地で見ずとも,企業という小さな世界でも同じことがいえるのではないでしょうか。
 昨今,わが国企業において,権力にものを言わせる「パワー」の乱用によって発生する問題が多数見受けられます。ハラスメント問題やブラック勤務の強要問題などが特にクローズアップされています。
 パワーによって従業員をコントロールすることは既に前時代的な経営であり,そのことは遥か遠い昔にさかのぼって言われてきたことです。例えば,1960年に刊行されたダグラス・マクレガー先生の「企業の人間的側面」という名著があります。先生はそのことについてX理論・Y理論として言及されています。X理論では,企業におけるヒトという存在を怠惰で自己統制できない存在として扱いますが,それは古い人間観です。Y理論ではヒトを自己統制できる存在として扱っており,企業は従業員をY理論としての存在として扱う必要があることを述べています。
 いまや,企業に平和と発展をもたらすものは権力やパワーではなく,従業員の人間尊重であり,全ての従業員への教育の施しであると言えるでしょう。企業の経営陣はこのことを胸にしっかりと刻み込んでおかなければなりません。

本年の皆さまの益々のご発展を祈念申し上げます。
また,本年も引き続き弊社へのご指導とご鞭撻のほどをどうぞよろしくお願い申し上げます。

G&Bヒューマンキャピタル
代表 門田良明